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計算式

見積フォーマットを設定する際に、「計算式」の項目を定義することが可能です。
「計算式」は、他の項目に入力された値を元に計算した結果を表示します。
このドキュメントでは、計算式で使用できる演算子や関数について説明します。

概要

計算式の設定は以下で行います。

  • 入力種別が「計算式」である拡張項目を登録するとき
  • 見積フォーマットを登録・編集する際に、入力種別が「計算式」の項目を設定するとき

拡張項目を登録する際に設定した計算式は、当該拡張項目を見積フォーマットに追加した際の初期値として使用されます。
計算式は、見積フォーマットごとに変更できます。例えば、同じ拡張項目を複数の見積フォーマットで使用する際に、それぞれ別々の計算式を設定することが可能です。

計算に使用できる項目

計算式で計算の対象にできる項目は以下の通りです。

  • 同じ見積フォーマットに存在する項目
    • 項目名を記載します。
    • データ型が「数値」の項目、または、標準項目の「税区分」のみ使用できます。
  • 定数
    • そのまま数字として記載します。
税区分の値

計算式において、標準項目の「税区分」はコード区分「税区分(SSFA_ESTIMATE_TAX_TYPE_CD)」の「付加情報1」に登録されている値(税率)として扱われます。
例えば、「金額 * 税区分」という計算式の場合、選択されている税区分が「課税10%」であれば計算式は「金額 * 0.10」となります。

コード区分の確認・編集は「管理」→「営業支援」→「コード区分」から行えます。
「Accel-Mart Quick 営業支援管理者」ロールを持つユーザで実施してください。

注意

明細項目は、関数の引数に指定する場合を除き、ヘッダ項目の計算式には使用できません。

演算子

以下の演算子が使用できます。

算術演算子

演算子説明記載例
+前後の値を加算します。税込金額 + 消費税額
-前の値から後ろの値を減算します。金額 - 見込原価
*前後の値を乗算します。税抜金額 * 1.08
/前の値を後ろの値で除算します。見込利益 / 金額
()()内の演算を優先的に行います。(金額 - 見込原価) / 金額

比較演算子

演算子の前後の値を比較します。

演算子説明記載例
=等しい税区分 = 0.10
<>等しくない数量 <> 1
<前の値が後ろの値より小さい単価 < 10000
>前の値が後ろの値より大きい見込原価 > 50000
<=前の値が後ろの値以下見込利益 <= 0
>=前の値が後ろの値以上見込利益率 >= 50
計算の優先順位

計算式内で複数の演算子を使用した場合、以下の優先度で解釈されます。

  1. ()
  2. *, /
  3. +, -
  4. <, <=, >, >=
  5. =, <>

以下に例を示します。

  • (4 + 2) * 3の計算結果は18となります。
  • 100 * 2 + 50 * 3の計算結果は350となります。
  • 3 <= 2 * 2の評価結果は「真」となります。

関数

以下の関数が利用できます。

ROUND(項目名,桁数)

指定された項目を指定の桁数で四捨五入します。
例えば、ROUND(3.14, 1)と指定した場合の結果は「3.1」です。

引数

引数説明指定可能な値
項目名四捨五入の対象とする値項目名、計算式、数値
桁数四捨五入後の小数点以下の桁数整数

使用方法・具体例

  • 「桁数」に正の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は小数点以下(小数点の右側)が指定の桁数になるように四捨五入されます。
    • 例:ROUND(17.32, 1)と指定した場合の結果は「17.3」です。
  • 「桁数」に0を指定した場合、「項目名」で指定した値は最も近い整数に四捨五入されます。
    • 例:ROUND(17.32, 0)と指定した場合の結果は「17」です。
  • 「桁数」に負の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は整数部(小数点の左側)が指定の桁で四捨五入されます。
    • 例:ROUND(17.32, -1)と指定した場合の結果は「20」です。

ROUNDDOWN(項目名,桁数)

指定された項目を指定の桁数で切り捨てます。
例えば、ROUNDDOWN(3.14, 1)と指定した場合の結果は「3.1」です。

引数

引数説明指定可能な値
項目名切り捨ての対象とする値項目名、計算式、数値
桁数切り捨て後の小数点以下の桁数整数

使用方法・具体例

  • 「桁数」に正の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は小数点以下(小数点の右側)が指定の桁数になるように切り捨てられます。
    • 例:ROUND(17.32, 1)と指定した場合の結果は「17.3」です。
  • 「桁数」に0を指定した場合、「項目名」で指定した値は整数に切り捨てられます。
    • 例:ROUND(17.32, 0)と指定した場合の結果は「17」です。
  • 「桁数」に負の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は整数部(小数点の左側)が指定の桁で切り捨てられます。
    • 例:ROUND(17.32, -1)と指定した場合の結果は「10」です。

ROUNDUP(項目名,桁数)

指定された項目を指定の桁数で切り上げます。
例えば、ROUNDUP(3.14, 1)と指定した場合の結果は「3.2」です。

引数

引数説明指定可能な値
項目名切り上げの対象とする値項目名、計算式、数値
桁数切り上げ後の小数点以下の桁数整数

使用方法・具体例

  • 「桁数」に正の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は小数点以下(小数点の右側)が指定の桁数になるように切り上げられます。
    • 例:ROUND(17.32, 1)と指定した場合の結果は「17.4」です。
  • 「桁数」に0を指定した場合、「項目名」で指定した値は整数に切り上げられます。
    • 例:ROUND(17.32, 0)と指定した場合の結果は「18」です。
  • 「桁数」に負の整数を指定した場合、「項目名」で指定した値は整数部(小数点の左側)が指定の桁で切り上げられます。
    • 例:ROUND(17.32, -1)と指定した場合の結果は「20」です。

SUM(項目名)

指定した明細項目について、全明細行の合計を計算します。

引数

引数説明指定可能な値
項目名合計を計算する項目項目名(明細項目のみ)
注意

ヘッダ項目は引数として指定できません。

使用方法・具体例

  • SUM(金額)と指定した場合の結果は、「金額」という明細項目の全行分の合計値です。

SUMIF(評価式,項目名)

指定された項目について、評価式に合致する明細行のみの合計を返します。 例えば、単価が500円以上の商品の金額のみを合計する場合は、SUMIF(単価 >= 500, 金額)と指定します。

引数

引数説明指定可能な値
評価式合算対象とするかどうかの条件項目名、比較演算子、数値、計算式、関数からなる評価式
項目名合計を計算する項目項目名(明細項目のみ)
評価式

評価式は、「比較項目1 比較演算子 比較項目2」の形式で記載します。
比較項目として指定できるのは、項目名(ヘッダ項目・明細項目どちらも)・数値・計算式・関数です。
例えば、以下のような評価式が記載できます。

  • 見込原価 < 金額
  • 単価 >= ヘッダ項目A * 0.5 (ヘッダ項目Aはデータ型が「数値」の拡張項目)
注意

ヘッダ項目は引数「項目名」として指定できません。

使用方法・具体例

  • 税区分の税率が0.10(10%)に設定されている明細行の金額のみを合計する場合
    • SUMIF(税区分 = 0.10, 金額)
  • 数量が1ではない明細行の金額のみを合計する場合
    • SUMIF(数量 <> 1, 金額)